地道にじっくりと進んでいく。それが途中から完全に彼の世界が復活してくる。音の中の混迷的な部分を強調し、ネオサイケとしての音楽雰囲気を出しまくっている。
ギターの音が全面に出ている分その昔の音に近い感じが出ているが途中からのベースの絡みがそれをより一層強調させ、彼にネオサイケの世界を強烈にしていく。基本に彼の歌いたいことがあり、それに合わせた音の展開という音楽として重要な要素がしっかり詰め込まれている。しかしベースの使い方がなかなかエフェクトの使い方なのか入力の大きさなのか、割れる寸前に近い音が全体をぷっくらと盛り上げ全体の印象を強烈なものにしている。ここにはソロ的表現はどこにもない。そう、まずは彼の世界があり、その世界を表現するための歌があり、そしてその歌をもっとも理解しやすくするための音がある・・・・だがこのあたりの世界観の違いがネオサイケという形で分類されていった彼の過去があるわけだ。ギターとそれに対する重いエフェクト、アコースティックな感じがあるがなんだかんだのティドロップエクスプローズから続く彼の音が何気に出てきた全体を固めていく。なんだかんだの彼の世界観丸出しの音がここにもある。そう、ネオサイケの音がいまだに残るという流れ丸出しの作品。好きな人には最高の作品の一つになるのかもしれない。