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セット・ザ・トワイライト・リーリング |
メタル・マシーン・ミュージックの悪夢を思い出させるような強烈にエフェクトされた「Egg
Cream」から始まるルー・リードの1996年の気力、演奏ともに充実した作品だ。フェルナンド・サンダースのベースがよく歌う「NYC Man」や「Trade
In」はまるでブルーマスクの頃、そう「Transfoemer」と色違いジャケットで作られた作品の雰囲気を持つかなりセンスのよい曲をヴォーカリストとしての冴えを見せているルー・リードがしっとりと歌い上げる感じがあったりしてなかなかよい作品に仕上がっている。作品の聴き始めはルー・リードのいかれた感性がよみがえってきたのかとおもったりもするが基本的にはアコースティックな傾向を持つ演奏で固められている。しかしオリジナル・ラッパーとまで評された彼のポエットリーディングなのかラップなのか微妙な線の歌が相変わらずの彼の世界を表現している。途中ライブを一曲はさむが特にこれがライブである必然性もないが本人には何かあるのだろう。あるとすれば軽いちょっとした演奏の傾向を変えるアクセントになっているのだろう。ルー・リードのギターの音色にも現れてくる部分もあるのだが・・・・・。昔はアルタネイティブの代表格だった人が現在では本流にいるという音楽自体の変化が傑作となる可能性のあったところから熱狂的ルー・リード・ファン向けの残念ながらいささか平凡な作品になってしまったのが残念なところだ。5曲目の「Hang
To Your Emotion」でのコーラスはローリー・アンダーソンだ。
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曲目 |
1.Egg Cream
2.NYC Man
3.Finish Line
4.Trade In
5.Hang On To Your Emotions
6.Sex With Your Parents
7.HookyWooky
8.The Proposition
9.Adventurer
10.Riptide
11.Set The Twilight Reeling
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