とってもポップなサイケソング「BABY
LEMONADE」で始まるシド・バレットのセカンドアルバム。世の中で言われる事を真に受けると狂人のイメージから全く違うことを想像されてしまいそうな彼だが、ここでの音楽は穏やかで彼の心がひたすら純粋な方向に向かっていくさまが伺えるような感じのほうが強い。なにしろ2曲目の「LOVE
SONG」の歌詞はシンプルこの上なく、なんとなく心ここにあらず感のあるヴォーカルが心地よく感じるほどだからだ。この後も淡々と彼の歌詞の世界をじっくりと浮遊感のあふれる音でバックアップした音楽が続いていく。バックのミュージシャンはピンク・フロイドのデイブ・ギルモアがベースを弾き同じくピンク・フロイドのリチャード・ライトがキーボードやオルガンを担当している。難解複雑ではなくひたすらシンプルにサイケソングを追求しているこの作品、ただし現実にはこの時はシド・バレット自体は精神をかなり病んでおり相当酷い状況での録音であったらしい。そのためか全曲にわたって目立つのはシドのギターよりもデビッド・ギルモアのベースのほうだ。シドのギターは相変わらずアコーステック・ギターを使っている部分を除くとひたすら神経質にこだわった感じで細部になればなるほど彼のギターの特異性があらわになるような感じだ。
作品全体としてはピンク・フロイドのファーストの感じをより個人で突き詰めたような感じの作品でそこにフォーク的要素がはいりこんだ作品の印象を受けます。傑作とはいかないまでも彼のファンには必聴といえます。
